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AI検索は「サイトの出来」ではなく「名前を知っているか」で決まっていた

AI検索とLLMOでは、サイトの作り込みだけでなくブランド名をAIが知っているかが重要です。実測値から露出と引用の見方を整理します。

AI検索は名前を知っているかで決まるという見出しと、サイトを整える、名前をそろえる、AIに認識される流れを3つのカードで示した図解
MANGA TL;DR

漫画でざっくり読む

アンドロイド・カガミが、AI検索で名前を知られているかどうかが回答を分ける様子を4コマで整理します。 タップして拡大
アンドロイド・カガミが、AI検索で名前を知られているかどうかが回答を分ける様子を4コマで整理します。

TL;DR

AI検索では、サイトが読まれていることと、回答に名前が出ることは別です。
あるサイトでは、一般的な言葉だけで10回聞くと回答に出たのは0回でした。
ところが、社名やドメイン名などの名前を入れて40回聞くと、40回すべてで回答に出ました。
まず見るべきなのは、記事数ではなく、名前と商品名がそろい、AIが読める場所に置かれているかです。

AIに質問したとき、どの会社が答えに出てくるのか。

その分かれ目が、思っていたところにありませんでした。

同じサイトなのに、0回と40回に割れた

自分が関わったサイトで、AIへの露出を計測しました。

守秘のため、どのサイトかは伏せます。

ChatGPT と Gemini に質問を投げました。

回答にその会社が出てくるかを数えたものです。

ここでいう 0 / 10 は、10回聞いて、回答に出たのが0回という意味です。

40 / 40 は、40回聞いて、40回すべてで回答に出たという意味です。

どちらも、AIに質問した回数を分母にしています。

結果は、質問の仕方できれいに割れていました。

質問の仕方回答に出てきた回数
一般的な言葉だけで聞く0 / 10
社名やドメイン名など、名前を入れて聞く40 / 40

別の環境でも、同じ傾向が出ています。

質問に固有名詞が入っていれば、10回中7回は回答に出ました。

入っていなければ、11回聞いても0回でした。

同じサイトでも、質問の中に名前があるかどうかだけで、AIの答えは大きく変わりました。

中身も、構造化データも、FAQの数も変わっていません。

構造化データとは、ページの内容に「これは商品名です」「これは著者です」と札を付けて、機械が読みやすくする情報のことです。

変わったのは、質問の中に名前があるかどうかだけでした。

つまり、AIは「知っている名前」を優先して答える

この数字の読み方は、たぶんこうです。

名前を知られていれば、AIは答えやすい。
名前を知られていなければ、そもそも候補に上がりにくい。

AIは、いつもゼロから全サイトを探し直しているわけではありません。

学習した情報や、参照できる情報の中から、条件に合うものを組み立てて答えます。

だとすると、サイトをどれだけ磨いても、そのサイトが知られていない限り、一般的な質問の答えには出てきにくい。

これは順位を上げる話だけではありません。

土俵に上がっているかどうかの話です。

ここで出てくるのが LLMO です。

LLMOとは、ChatGPT や Gemini のようなAIに、自分の情報を見つけてもらい、回答で扱いやすくするための工夫です。

SEOが「検索結果で見つけてもらう工夫」だとしたら、LLMOは「AIの答えに入るための工夫」です。

この変化は、以前書いた「SEO が消えて LLMO が左上に来た日」ともつながっています。

検索の主役が、単語から文章へ移り始めているからです。

検索の言葉が「単語」から「文章」に変わっている

同じ時期に読んだ調査に、裏付けになる数字がありました。

Moz Blog に掲載された Beth Nunnington 氏の記事によると、同氏が所属する Journey Further では、100社以上のクライアントサイト、430億回の表示、15億回のクリックを分析したとされています。

そこで、次の傾向が示されています。

  • 1語・2語の検索は前年より減っている
  • 4語以上の検索が大幅に増えている

例として挙がっていたのは、こういう聞かれ方でした。

米国を拠点に、HubSpotを利用しており、収益認識を改善させる必要があるSaaS企業

これは「キーワード」ではありません。

条件の束です。

「CRM」という単語を狙ってページを作るやり方だけでは、こういう聞かれ方に噛み合いません。

条件が細かくなるほど、AIは「知っている中から条件に合うもの」を探します。

知られていなければ、また土俵に上がれません。

第三者にどう語られているかも見られている

同じ Moz 記事では、AIがウェブページ全体ではなく、文章の一節を抽出するという考え方も紹介されていました。

参照される情報源として重視されていたのは、第三者によるメンション、レビュー、メディア掲載、掲示板やフォーラムでの会話です。

メンションとは、リンクがなくても、どこかで名前を言及されることです。

自分で自分のことを書くことも大切です。

でも、それだけでは「自分がそう言っている」に見えます。

人間の口コミと同じ構造です。

言われてみれば、自然な話でした。

「読まれたか」と「答えに出たか」は別物

ここで、測るべきものが2つに分かれます。

測るもの分かること
読みに来たかAIのクローラーがサイトを巡回した記録
答えに出たか実際にAIへ質問して、回答に出てくるか

AIクローラーとは、AIサービス側がウェブページを読みに来るための仕組みです。

この2つは食い違います。

クローラーは毎日来ているのに、質問すると一度も出てこない。

そういうことが普通に起こります。

前者だけ見ていると、「巡回されているから大丈夫」と考えたくなります。

でも、売上に効くのは後者です。

ただ、最初から全部を細かく見る必要はありません。

AI別の巡回数、ページ別の巡回数、AI経由の訪問や問い合わせなどの成果を、毎週月曜に確認する入口プランです。

回答に名前が出たかまで見る場合は、AI CITATION と組み合わせます。

この話は、「ChatGPT検索でSEO対策が通用しない、は半分だけ正しい」で書いた「AIに読まれること」と「AIに紹介されること」の違いそのものです。

計測の2種類を分けて見たい場合は、AI CRAWL / AI CITATION のページに整理しています。

では、どうするか。順番があった

外で名前が出る状態を作る。

方向はそこです。

ただ、その前に片付けるべきことが2つありました。

自分のサイトを点検して分かったことです。

1. 名乗りが揃っていなかった

私の名前は、場所によって表記がばらばらでした。

カタカナ表記が正式なのですが、漢字表記の「朱 剛明」が自分のサイトのどこにも書かれていませんでした。

一方で、外部のプロフィールサービスには漢字で登録してありました。

つまり、外では漢字、自分のサイトではカタカナ。

AIから見れば、別人として扱われても不思議ではありません。

名寄せとは、表記ゆれしている名前や会社名を、同じ人物・同じ組織として結び直すことです。

漢字で検索した人は、私に辿り着けませんでした。

外で語られる以前に、語られる名前が一つに定まっていなかったのです。

この話は、著者プロフィールにもつながります。

AIにとっても人にとっても、「誰が話しているのか」が分かることは大切だからです。

2. 商品名が機械の読める場所に無かった

サイトには、AIが読むための情報を機械可読な形で埋め込む仕組みがあります。

私はそれを実装済みのつもりでいました。

点検したら、現在提供している月額サービスの1つが、そこに存在しませんでした。

ページには書いてあるのに、機械が読む側には無い。

その商品名で質問されても、AIは拾いにくくなります。

3. だから、順番はこうなる

段階やること誰に効くか
1名乗りを一つに揃える全部の前提
2機械が読める形に置くAI
3外で語られるAI・人

1と2を飛ばして3をやっても、同一人物・同一商品として認識されません。

外で100回言及されても、名前が3通りに割れていれば、それは33回ずつです。

そして1と2は、外部の協力が要りません。

今日中に自分で終わらせられる部分でした。

日本語圏の言及も外せない

外で語られる場所には、日本語の場所と英語の場所があります。

英語圏は、学習データの厚みが違います。

ただ、「AIはアメリカ製だから英語だけでいい」とは、私はもう思っていません。

そして日本語圏を外せない理由は、もっと単純です。

お客さんが日本語で質問するからです。

E-E-A-Tとは、経験・専門性・権威性・信頼性をまとめた考え方です。

AI検索でも、人が読む記事でも、「誰が、どんな経験にもとづいて話しているか」は見られます。

だから日本語でのプロフィール、商品説明、外部での言及も、軽く見ないほうがいい。

3はこれから検証します。

ただ、1と2を終える前に3へ手を出すのは早い。

今回いちばん腑に落ちたのは、そこでした。

おわりに

サイトの中でやれることは、たしかに大事です。

ただしそれは、「知られている」ことが前提でした。

そして「知られる」の第一歩は、外で有名になることではありません。

自分の名前と商品名を一つに揃えることです。

そのうえで、AIが読める場所に置くことです。

派手さはありません。

ただ、ここが割れていると、その先の努力が全部割り算になります。

関連リンク

用語の補足・よくある質問

記事に出てきた専門用語を、かんたんに補足します。

AI検索で名前が出ないとき、まず何を見ればいいですか?
まず、AIがサイトを読みに来ているかと、AIの回答に名前が出ているかを分けて見ます。読まれているのに出ない場合は、ブランド名、商品名、プロフィール、根拠ページのつながりを点検します。
LLMOって、SEOと何が違うんですか?
SEOは主に検索結果で見つけてもらうための工夫です。LLMOは、ChatGPTやGeminiなどのAI回答で、名前やページを候補として扱ってもらうための工夫です。
構造化データやE-E-A-Tは初心者でも必要ですか?
必要です。ただし、難しく考えすぎなくて大丈夫です。構造化データはAIに渡す名札、E-E-A-Tは誰がどんな経験で話しているかを示す信用情報、と考えると分かりやすいです。
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この記事を書くうえで参照した外部記事です。関連リンクと用語補足を確認したあとに、元になった論点もたどれるようにしています。

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